「ひきこもり」とは? そのきっかけと家族の心得
基礎知識
「ひきこもり」とは、病気や障害が理由ではなく、長期間自宅にひきこもって、学校や会社に行かない状態のことを指します。
自室や家から出ない、行くとしてもコンビニ程度という狭義のひきこもりは、平成26年時点で約23.6万人いるとみられています。ただ、あくまでもアンケートを通しての推計であり、事実を申告していない家族もいると考えられるため、実際にはこれよりも多い可能性も高いでしょう。
また、病気や障害はひきこもりには該当しませんが、医師による診断を受けていない当事者も多いことから、実際にはひきこもり当事者の精神疾患率は高いというデータもあります。
ひきこもる原因や理由
いじめや挫折、対人恐怖症、精神疾患(総合失調症、うつ病)、LD(学習障害)、アルペルガー症候群(発達障害)などがきっかけになる場合もあれば、これ といった原因がはっきりと分からないまま、ということも少なくありません。
逆に、生活や進学に支障がない程度の発達障害だったのにも関わらず、それが原因でいじめに遭ったことからひきこもりになったというように、いくつかの原因が複合的に絡みあっている場合もあるようです。
本人も、最初は何かしら明確な原因があり、極度のストレスを回避し自分を守るためにひきこもるという選択をしたのかもしれません。しかし、ひきこもりが長期化すると、プレッシャーや自己嫌悪といった感情から、逆に精神を病んでしまう人もいます。
ひきこもりをしている人の心とその家族の気持ち
「ひきこもり」は、反抗心や怠惰な気持ちからひきこもっていると誤解されがちですが、そういったケースはまれなものです。部屋でマンガを読んだり、テレビを見たり、 ゲームをしている当事者は多いですが、純粋な楽しさは続きません。「このままで将来大丈夫だろうか…」「もう進学はできないんじゃないか…」「家族にも見放されているんじゃないか…」など、さまざまな不安や葛藤を抱えつつも、そのプレッシャーから更に逃避を繰り返している場合もあります。
一方、家族も子どものために仕事や趣味を犠牲にしたり、世間の目を気にして家族だけで解決しようとすることで、「家族そのものが世間からひきこもった状態」に陥ってしまうこともあります。 しかし、家庭内での空気が悪くなればなるほど、ひきこもり当事者へのプレッシャーは増し、社会復帰が難しくなる危険性もあるそう。
ひきこもりの児童や親を支援してくれる学校や教育機関も増えてきていますので、家族自身も外のサポートを利用し、コミュニケーションをとることが推奨されています。
【参考:平成27年版子ども・若者白書 第2節/内閣府】
【参考:ひきこもり関連施策/厚労省】
このコラムの著者
不登校サポートナビ 編集部
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