9月1日が最多 子どもの自殺をどう防ぐ?
特集
2017年08月28日
多くの学校で2学期の始まりとなるのが9月1日です。そしてその9月1日は、18歳未満の子どもの自殺者が最も増える日でもあります。
引用元)厚生労働省 人口動態調査
9月1日が圧倒的ではありますが、冬休み明けや新学期、ゴールデンウィーク明けなど、長期休暇明けには、どれも自殺者数が増加している傾向が見て取れます。
学校に行く、ということが自殺のきっかけとなるとしたら、いったい親や周りの大人はどうやってそれを止められるのでしょうか。
親が子どもの異変に気づくことはできるのか?
親ならば子どものことを知っていないとおかしい。よく分からないなんて親の怠慢だ。という人がいるかもしれません。しかし実際は、親が子どものことを全て把握するのは難しいのが現実でしょう。
それは、子どもにも親に隠していることや言えないことがあるからです。
自分の気持ちを、正直に人に伝わるように話すということ自体が難しい場合もあります。
例えば、学校でいじめられていること、性に関する悩み、自分が嫌いだということ、クラスで馴染めないこと、先生が理不尽であることなど、学校で起きるトラブルや思春期の悩みはつきません。
しかし、できないことを人に話すというのは、大人でさえ勇気がいることではないでしょうか。「なんとなくいやだけど、何がいやなのか分からない」といったこともあるかもしれません。
このように、恥ずかしさや、劣等感などさまざまな感情を抱く思春期に、親に全て話すことが、自分の中学・高校時代にできたかと言えば、そうでない人が大多数だと思います。
ニュースやテレビ番組をきっかけにしてもいい
引用元)#8月31日の夜に。 – NHK
この記事の冒頭でも取り上げた、18歳未満の自殺者が9月1日に最も多いというデータが発表されて以来、テレビやインターネットでもさまざまな呼びかけが行われるようになりました。
子どもの自殺が増えるということは、とても残念なことです。しかし、こういったニュースをきっかけに、今目の前にいる子どもと「学校について」や「生きていること」について話しをしてはいかがでしょうか。
そして、もし子どもが「学校に行くこと」で心がいっぱいいっぱいになっていたら、無理に夏休みを終わらせずに、回復するまで待ってあげて欲しいと思います。
なお、NHKでは「#8月31日の夜に」という企画を打ち出しており、8月31日までの間に多くの学校に関する番組が組まれています。
不登校関連番組
▽8/30(水)PM8:00~ NHK・Eテレ
ハートネットTV 「不登校新聞・自分と向き合う」
▽8/31(木)AM8:15~ NHK・総合
あさイチ 「学校って通わなきゃダメ? ~広がる新たな学びの場(仮)」
▽8/31(木)PM8:00~ NHK・Eテレ
生きるためのテレビ 「#8月31日の夜にー第一部」
▽8/31(木)PM10:00~
生きるためのテレビ「#8月31日の夜にー第2部」
こういった番組を見ながら、まずは子どもの話にじっくり耳を傾けてみることからはじめてみませんか。もし、子どもが何も話してくれなくても、「あなたが必要だし大切だ」ということを親から真剣に伝えるきっかけにしても良いかもしれません。
このコラムの著者
不登校サポートナビ 編集部
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