子どもの仮病に潜む、悩みのサインを見逃さないで!
小学生
朝、子どもを起こすと何かいつもと様子が違います。
布団から出ようとしないし、小声で「体調が悪い」などと話していますがはっきりわかりません。
症状を確かめたくても、子供はぐずって泣き出してしまいました。
困りかねて「今日は学校休む?」と聞くと、ほっとして乱れた呼吸も落ち着いていきました。
その後一段落して、病院に連れて行こうと考えていても、登校時間が過ぎてお昼近くになれば子供は元気に遊んでいる…。
こうした子どもの変化に仮病を疑ってみたことはないでしょうか?
お医者さんに行っても特に異常がない場合には、体ではなく心の風邪にかかっているのかもしれません。
ここでは、子どもがなぜ仮病を使うのか?
その理由と対応方法について提案していきます。
子どもが仮病を使う理由とは?
子どもが仮病を使うことには、必ず“理由”があります。
それにはいったいどんな理由が考えられるのでしょうか。
① 親にかまってほしい…のような、家庭が理由の場合
子どもは、病気の時、親はそばに居て優しく接してくれることを知っています。
ですので、子どもの仮病は親の愛を求めている現れとも言えるでしょう。
その気持ちが強ければ強いほど、仮病を使ったり、実際にケガをしそうな危ない行動をするなど、親の気をひくために、いろいろなことをする場合があります。
このようにやんちゃな子どもだけの話ではなく、どんなにしっかりした子どもでも、仮病で学校を休もうとすることがあります。
しっかりすればするほど親に叱られなくなり、それを淋しいと感じてしまうと、無意識にこういった抵抗をしてしまうのでしょう。
② 学校に行きたくない…のような、学校が理由の場合
子どもは集団生活の中でいろいろな壁にぶつかります。
多くの場合は、なんとか上手に乗り越えていきますが、ショックが大きいと対処できなくなってしまいます。
たとえば、「授業中に答えられず笑われて自尊心が傷ついた」「運動の得意な子が体育祭で転倒し自信を失った」といったことで、不登校になってしまうこともあるのです。
ただ、ある意味ではこういった明確な理由があるケースの方が解決しやすいのかもしれません。授業中答えられるように勉強を頑張るとか、運動以外の習い事を始めるとか、対処法が選びやすいからです。
しかし、いじめや友達間のトラブル、先生との関係は簡単には解決するのが難しいでしょう。これらは目には見えにくいですし、理由がつかみにくいので学校やカウンセラーと相談しながら対処していくことが必要です。
子どもの仮病、そのとき親が取るべき対応は?
仮病を真っ向から否定し、いけないことだと叱っても効果はありません。
それどころか逆に子どもから逃げ場を奪い、大きなストレスを与えてしまうこともあるのです。
では、親はどう対応していけばよいのでしょうか?
① 子供との時間を増やす
子どもが仮病で休む背景には「親と離れたくない」「甘えたい」「学校で頑張っているところを見てほしい」などの気持ちがあります。
この気持ちに応えてあげるためには、一緒の空間で過ごす時間を増やしてみるのが効果的です。
今は、両親が働いている家庭や、子供が塾に通っている場合も多いので、「朝か夕ご飯を必ず全員で一緒に食べる」といったこともいい方法でしょう。
ここでのポイントは、
・ご飯の時間は多めの時間を確保する
・テレビなどはつけずに会話しながら食べる
ということです。
1日だけでは効果は薄いですが、1週間、1カ月と続けていくと子どもの変化に気付きやすくなるなど、さまざまな効果を実感できると思います。
② 問題解決にはリフレッシュが必要
問題が明確な場合には、その問題ごとへの対応が必要になりますが、それぞれの問題の解決方法として、「リフレッシュする時間を作る」というやり方があります。
大人でも現実から逃げ出したい時はありますよね。
行き詰まった時には、リラックスできる時間が、問題を解決してくれることもあるのではないでしょうか。
子供は、まだうまく気持ちを切り替える方法を知りませんから、ときには、子どもが好きなことを一緒にしてあげる、知らない場所へ行って新しい刺激を与えてあげるなど、リフレッシュをさせることで、気持ちを切り替えるお手伝いをしてみて下さい。
もし体調不良を訴えるのが1日や2日だけであれば、本当に具合が悪かったのかもしれませんが、何日も続くようなら、問題が大きくなっている可能性があります。
子供が話をしやすい環境を作ってあげよう
学校に行きたくないのか、家にいたいのか、勉強がいやなのか、友達とのトラブルなのか…。
といったことを聞いてみることで、子どもの仮病の本質をつかむことが、解決への近道です。
ですが、すぐに話してくれなくても、仮病を責めるのではなく、本音をきちんと聞いてあげようという姿勢を一番に考えてください。
ゆっくりと本音が話せるような環境がなければ、子供も心を開きにくいのです。
仮病の裏側には子どもの心の声があります。一緒に成長していく過程と捉え、親子関係を深めるチャンスに変えてみてはいかがでしょうか。
このコラムの著者
1963年さいたま市生まれ。ベーチェット病により17歳で光を失う。1993年明治学院大学大学院博士後期課程単位取得。1989年よりアイメイト(盲 導犬)と歩行し、看護・福祉の専門学校、短期大学等で講義を担当、同時に福祉教育活動家として執筆・講演に勤める。現在、「ハーネス・ウィ研究所」の代表 講師として、人間力育成セミナー(通信制フリースクール)・福祉講演会等、幅広い分野で活躍中。著書に「夢をくれた盲導犬」ポプラ社「しっぽのはえたパー トナー」法研「盲導犬ミントの子守歌」ポプラ社「盲導犬キースのヒト観察記」相川書房「これからの福祉心理学」(共著)北大路書房他がある。
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