「不登校」は1人で抱え込まず、支援を受けて一歩ずつ進もう
小学生
わが子が学校に行けなくなった……。
他人事のように感じていた不登校が、自分の家庭に起こった時、ほとんどの親が動揺を感じるのではないでしょうか。
何か大変なことがわが子に起こっているのだろうか。
いったいどうしたらいいのだろう。
この状態はいつまで続くのだろう。
といった先の見えない不安を抱え、ここにたどり着いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
不登校の支援を謳っているサイトの中には、「不登校は子どもの生きる力を奪っているもので、早急に解決すべきもの」と定義しているものもあります。しかし、はたして「早急な解決」が必ずしも最も良い支援の在り方なのか、疑問を感じずにはいられません。
今、不登校という形で自分を表現している子どもに対して、そのままの子どもの状態を受けとめていけるよう、親であるあなたへの支援の在り方も考えてみたいと思います。
まずは子どもの不登校の背景をしっかりと見つめる
子どもの不登校の背景には、さまざまな理由が考えられます。
学校での友人との関係、先生との関係、学習のつまずき、家庭の中で親が感じている緊張状態を子どもが引き受けてしまった等、本当にさまざまな理由があります。
真っ暗闇のトンネルの中に紛れ込んでしまった……
不登校の時期は、それを体験している本人にとっても、家族にとっても、そのように感じられる時間ではないでしょうか?もし先の見えない暗闇の中で独りぼっちだと感じるとしたら、それはどれほど心細く、辛く、まさに生きる力さえ奪われてしまうように感じることでしょう。
しかし、子どもは「不登校」という形で必死に自分を表現しながら、本当に解決すべき問題が別のところにあることを教えてくれているのかもしれません。
親も子どもも、ひとりで悩まないことが大切です
先の見えない真っ暗闇のトンネルのような場所。でも、そこに同じ体験をした仲間がいて、一緒に考えながら進んでいけるとしたら、それは仲間と手を取り合い共に迷路の出口を探しながら進んでいるような、考えようによっては楽しく貴重な時間になるのかもしれません。
不登校の支援とは、「あなたが本当のことを話しても誰からも否定されることはありませんよ。」という安心安全な場所が保障されることです。
そしてそんな場所には、いま自分が体験している辛さを、同時に体験している人や、過去に体験し克服した人、辛さを一緒に考え受け止めてくれる人が必要です。
不登校・引きこもり・家庭内暴力等についての支援や、新しい遊びや学び、仕事を試行錯誤して楽しもう、といった取り組みをしている団体も今は少しずつつ増えています。
このようなところで同じような悩みを持つ親子と交流を深めると、きっと悩んでいるのは決して自分一人ではなかったんだということに気づくことでしょう。そ して同じ悩みを持つ人たちの声に耳を傾けることで、自分とは違う価値観を自分の中に取り入れていくことも出来ていきます。
そして、子どもの不登校という状況は変わることがなくても、不登校を自然に受け入れられるようになっている自分に気づくかもしれません。また、いま自分が経験していることも、未来において意味を持つ日がくる!と思えるようになる日がくるはずです。
このコラムの著者
堀江ミク
大学では教育学部において、中学校高等学校の美術教員免許を取得。子育ての悩みを抱える「非行」と向き合う親たちの会とつながり2006年「非行」と向き 合う親たちの会を設立。現在小学生向けの学習塾を開設するとともに、産業カウンセラー協会の養成講座で指導者としてカウンセリングの指導に当たる。
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