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【アンケート後編】親以外の大人ができることって?

特集

2015年09月15日

子どものしつけや教育で大切だと思うこととは

子育ては正解がないからこそ難しいもの。

自分のしつけや教育が本当に子どものためになっているのか、不安になってしまう方も少なくないと思います。
また、子どもがいない人にとっては、「いない人にはわからない」と言われるのではという不安から、口を出していいのか戸惑うこともあるかもしれません。

今回は、「子どものしつけや教育で大切だと思うこと」について、子どもがいる人・いない人それぞれにアンケートを行い、それぞれの違いから、両者の理解を深めるためのヒントを探ってみました。

【アンケート前編】なぜ不登校に? 身近な大人ができるサポートとは

 

子どもがいる人に多かった回答は?

・子どもの話をよく聞く
・あまり怒らない
・見守る心と背中を押す気持ちのバランス
といった、親自身の気持ちや態度に関する意見が、最も多く見られました。

その他に多かった回答では、
・自己肯定感を育てる
・将来のビジョンを描けるよう色々体験させる
というような、子どもの自立を促す回答も目立つ結果に。

一方、礼儀作法や、他者との関わり(思いやりを持たせる など)に関する意見は、少数という結果になりました。

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子どもがいない人に多かった回答は?

子どもがいない人の回答には、
・お行儀
・小さい時に社会の基本的な必須事項を教える
・あいさつと礼儀をしっかり教える
というように、礼儀やしつけに関するものが、とても多く見られました。

その他に多かった回答も、
・思いやり
・他者に共感できる心を育てる
など、他人との関わりについての「教育」が重視されている傾向が見られます。

しかし、子どもがいる人の回答で多かった、親自身や子ども自身の内面についての回答は少なく、子どもがいる人といない人では、子どもの教育について、大きな視点の違いがあることが見えてきました。

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子どもとの関係で、教育の視点も変わる

子どもがいる人においては、親自身の子どもへの関わり方や、気の持ち方、子どもの自己肯定感を育てようという回答が多かったのに対し、子どもがいない人では、礼儀や他人への思いやりといった、他者とのコミュニケーションスキルについての回答が多い、という結果になりました。

実際に子どもがいる人は、”他人対子ども”という視点よりも”自分対子ども”という点にフォーカスされやすいのかもしれません。もしくは、他人の意見を聞きすぎると、自分の育児に自信が持てなくなる、という要因もあるかもしれません。

一方で、子どもがいない人は、”他人である自分対子ども”という視点しか持つ機会がないため、他人への振る舞いに関する教育にフォーカスされやすい、と考えることができます。

 

子どもを育てるのは親”だけ”?

今回は、子どもがいる人いない人に分けて、しつけや教育に大切だと思うことを聞いてみましたが、現実では、子どもは親とだけ関わって育つわけではありません。

もちろん、子どもは親の庇護下にあり、子どもの行動に一番の責任を持つのは親です。しかし、子どもがいない人もいる人も、子どもの目から見れば1人の大人です。
そう考えると、子どもにとっての良いお手本となるように振る舞うことも、子どもがいない人が”1人の大人として”できる、教育の1つなのかもしれないと感じました。

そして、まだ成長段階である子どもが、大人が望むように振る舞うことは、簡単なことではなく、子ども自身の成長機会を奪ってしまうことにもなりかねません。子どもや親を責めるのではなく、子ども自身の成長にあわせて気長に見守り、わずかな成長でも、気づいたら教えてあげるなど、第三者だからこそできるサポートもあるでしょう。

また、子どもがいる人は、これだけの意識の差が子どもがいる人といない人の間にある、ということを踏まえて子どもと向き合うことができるとよいのかもしれないですね。

このコラムの著者

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株式会社クリスク  ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。