いじめのきっかけと不登校になった場合の心得
基礎知識
いじめには、罵声を浴びせる、暴力を振るうといった目につきやすいものもあれば、無視や仲間はずれといった目に見えにくいものまでさまざまなものが含まれます。一方的に相手の心や身体を傷つける行為は、いじめに該当するといえるのではないでしょうか。
いじめのきっかけは?
幼稚園、小学校、中学校、高校と、子どもの集団生活の中に起こるいじめには、あらゆることが原因として考えられます。
例えば、「動作がのろい」「気持ち悪い」「不潔だ」「話し方に訛りがある(転校生)」「家が貧しい」 などの集団への適応がうまくできないことが理由となるほかに、「勉強ができる(優等生)」「美人・かわいい」「家庭が裕福」 などの嫉妬の対象としていじめに遭う場合もあるのです。
いじめが親の耳に入らない理由
子どもの世界のいじめは、大人が気づくまでに時間がかかることが多いです。親の耳に届くまでに、すでに深刻な状況になっているケースも少なくありません。これは、昨今いじめを苦にした自殺といった辛いニュースからも、想像がつくでしょう。
普段学校にいない親からすると、いじめている生徒に対する怒りのほか、「なぜ、いじめられている生徒を他の生徒は見て見ぬフリをするのか」と、疑問に思うかもしれません。
しかし、「いじめを良く思っていなくても、助ける勇気がない」「いじめられている子を助けたら、今度は自分が標的になるかもしれない」こうした不安や恐怖心から、見て見ぬフリをしてしまう生徒は少なくありません。
また、いじめられている生徒自身も「いじめられていることが恥ずかしい」「親に迷惑をかけてしまう」「誰かに言ったら余計いじめられるのでは」という気持ちから、なかなか人に相談することができません。その結果として、親や教師の耳に入るのが遅くなってしまうのでしょう。子どもが不登校となって、はじめていじめのことを知る場合もあります。
いじめで傷ついた子どもには、保護者の寄り添いを
いじめに立ち向かうことも勇気が必要ですが、いじめられる場に行かないという選択もまた、勇気が必要なこと。辛い体験はなかなか親にも話せないこともありますが、自分が子どもを大切に思っていることを伝え、子どもの話をとにかく真剣に聞いてあげてください。「まだ学校に行かないの?」「なぜいじめられたの?」など、問いただすような質問は控え、とにかく辛い気持ちを癒せるように接しましょう。
心の傷を癒すには、学校を変えるほか、思い切って留学するなど、環境を変えるのもひとつの手段です。もちろん、転入や進学する道もたくさんあるので、まずは焦らずじっくりと子どもに向き合っていきましょう。
このコラムの著者
不登校サポートナビ 編集部
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