平成28年度ルネ高の卒業式に潜入! 卒業生に聞く、通信制へ入った理由
取材
2017年04月20日
2017年2月26日、ルネサンス高等学校(以降ルネ高)の卒業式が行われ、多くの生徒が新しい世界へ飛び立って行きました。
卒業式では、先生の挨拶の途中に理科の実験が行われたり、先生たちからお祝いの歌が送られたりと個性的な式で、生徒さんたちの笑顔も目立っていました!
そんな卒業式に不登校サポートナビもおじゃまさせて頂き、当日卒業するという生徒さん3名に、学校生活や入学のきっかけについてのお話を伺ってきました。
不登校から通信制高校へ 池間さんの場合
池間さん
「芸能コースで週1回登校していました」
── ルネ高には中学卒業後すぐに入学されたんですよね。
池間さん 「はい。もともとは学校が好きじゃなくて、人間関係などに悩み不登校をしていました。だから、中学卒業後は高校にも行かないって決めてたんです。でも、母に高校だけは卒業しておきなさいと言われ、ルネ高に入ることになりました」
── 実際入ってみて、学校生活は嫌ではなかったですか?
池間さん 「通信制は、家で自主的に勉強して、あまり学校にいかないっていうイメージがあったんですが、実際は登山とかテーマパークに行くようなイベントがたくさんあって、他の生徒と交流することもできました。それに、生徒同士でもめることもなかったので、すごく過ごしやすかったです」
── 逆に、これは大変だったなってことはありましたか?
池間さん 「自分で勉強するのが苦手なのと、学校で勉強をするわけじゃないので、期限内にレポートを出すのが最初は大変でした。でも、だんだん慣れてきたらちゃんと出せるようになったので、自主性が成長したかなと思います」
── 高校もついに卒業となりますが、卒業後は何をする予定でしょうか。
池間さん 「親戚がアメリカにいるので、ホームステイしながら2ヶ月くらい語学勉強をします。そのあとは日本かアメリカかわからないけど、専門大学に入ろうかなと考えています」
全日制から通信制高校へ 田島さんの場合
田島さん
「2年生になったときに転入し、通学コースに入りました」
── 田島さんは転入ということですが、入学するきっかけは?
田島さん 「前の学校が、すごくうるさいクラスで授業も成り立たなかったんです。勉強するために高校に入ったのに、これじゃ意味がないな、と思って、自分から勉強をするために学校を変えることにしました。最初はルネ高以外の学校を考えていたんですが、友達にルネ高を勧められたこともあって、見学に行きました。そこで先生と話してみたら、雰囲気がとてもよかったのでルネ高に転入を決めました」
── 入ってみて、学校生活はどうでしたか。
田島さん 「通信制は聞き慣れなかったので、最初はすごく緊張しました。でも、実際通ってみたら普通の高校と大差ないなって。それが嬉しかったですね。勉強もちゃんとできたし、転入してよかったです」
── 大変だったことはなかったですか?
田島さん 「友達との付き合い方は少し困りました。全学年が同じ教室にいるので、先輩後輩がバラバラにいると、どう話しかけたらいいのか分からなかったですね。今では後輩も同学年の子も友達がいるんですけど、最初は接し方が難しかったです」
── 通信制だと学年がわかりにくいですもんね。今日で卒業ですが、卒業後は何をする予定ですか?
田島さん 「1~2年間くらいバイトでお金を貯めて、調理の専門学校に進学しようと思います。就活がちょっとうまく行かなかったので、自分が興味のあった調理の道に進むことにしました」
先生と上手く行かずに通信制高校へ 山岸さんの場合
山岸さん
「1年の終わりから転入。途中から通学コースにも入りました」
── 入学のきっかけを教えてください。
山岸さん 「前の学校の先生と、進路の話でモメたことがきっかけです。ただ転校前の学校は、単位の取り方が特殊だったので、全日制に転校するのは難しかったのと、姉の友達から勧められたので、ルネ高に入ることにしました」
── 入学してみて意外だったことなどはありますか?
山岸さん 「自由な感じで、自分の時間を取れるかなと思っていたので、それはイメージ通りでした。想定外だったけど良かったことは、先生がすごくラフな感じで話しかけてくれることですね」
── 先生との距離も近いんですね。逆に大変だったことはありますか?
山岸さん 「自由に使える時間が多いので、自己管理するのが大変でしたね。自分で時間配分とか何をやるかを決めてやらないといけないのは、思ったより大変でした」
── 卒業後は大学に進学されるそうですね。
山岸さん 「経済学部に進学します。推薦なんですが、その書類作成とか小論文のサポートとかも先生にサポートしてもらえたので、とても助かりました」
————————-
三者三様の事情から、ルネ高への入学に至った3人のお話を紹介しました。
多くの点で、全日制よりも自由度が高い通信制だからこそ、大変な部分もあるけれど、自分で考えたり自分をコントロールしたりする力がつくのかもしれません。
最後に、生徒のみなさんに、通信制高校に行くかどうか迷っている方に向けてメッセージを頂きました。
左から、池間さん・田島さん・山岸さん
池間さん 「通信制では、個人の付き合いだけじゃなくて、学校の先生ともたくさん話せます。思春期って悩みがたくさんあるし、私のように人間関係の悩みを持っている人もいると思うけれど、とにかく、後悔しない道を選んで欲しいと思います」
田島さん 「高校は全日制だけじゃないです。通信制高校って聞きなれないけれど、『あまりいいイメージがないからイヤだ』とかイメージだけで判断しないで、一度見学に行ってみるのもいいと思います」
山岸さん 「全日制と比べると、自分の時間がすごく使えるし、やりたいことがある人にはすごく向いてます。それに、全日制に合わなかった子とか、中学で学校に悩んだりした子とかは、無理して全日制に行くよりは、通信制でやりたいことをやるのも1つの手かなと思いますね」
この記事の著者
きたざわあいこ
株式会社クリスク ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。高校では放送部に熱中し、その後大学へと進学。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。
関連記事
親子二代で不登校 両方を経験したからこそ伝えたいこと
「明日は行くね」 不登校の私が母にそう言ってしまった理由
不登校の進学戦略! アルファベットも書けない僕が公立大学、そして大学院へ進学できた理由
本当に必要な支援を当事者目線で考える! ひきこもりUXフェスVOL.2 レポート③
ひきこもり女子会と公開編集会議に潜入! ひきこもりUXフェスVOL.2 レポート②
死にたいっていう気持ち、すごく分かるんです 【ユウキさんの場合 後編】