「インターネット上の子どもの安全、安心」をテーマに、中高生たちが話し合う「スマホサミット」が、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。日本ユニセフ協会、ソーシャルメディア研究会による、全国5都市で開催している「ユニセフ・スマホサミット」の一環。つくば会場は県ユニセフ協会が主催した。
ソーシャルメディア研究会代表で兵庫県立大学准教授の竹内和雄氏がコーディネーターを務め、公募で参加した県内の中学・高校生4人が意見交換したり、大人から助言を受けたりした。中高生たちは活発に議論しながら、個別テーマの「ネットいじめ」について考えた。
午前中は中高生たちだけで意見交換。インスタグラム、ツイッター、無料通信アプリのLINE(ライン)などでいじめが発生する原因を話し合い、「自分と違う意見を認められないから」「許可なくインスタに写真を載せる」などと挙がった。対策については「被害者も加害者もいじめについて考えるべき」「いじめの雰囲気が出てきたら、自分からグループを退会する」との声が出た。
午後からは、県メディア教育指導員や子ども会連合会関係者らが加わり、国・自治体や企業、親や先生、自分に対し提言したいことを発言し合った。
中高生たちは「ネットに関する専門の法律を作ってもらいたい」「(ネットいじめの)相談アプリを作ってほしい」と要望。先生に対しては「当事者双方の話し合いの場を設けてほしいが、口出しはしないでほしい」「相談はしたいけど、みんなにバラさないでもらいたい」と辛口な意見もあった。
サミット後、下妻市から参加した河田怜子さん(15)は「ネットで自分の世界が広がったと思っていたけど、いろんな人の意見を聞いて考えることが多かった。いじめは誰でも隣にある存在だと知った」と感想を話した。
全国の他会場では、「ネット依存」「ネットでの出合い」「ネットの有効活用」などを個別テーマに取り組む。各地の議論の成果は、来年2月に都内で開かれる「全国サミット」に持ち寄り、日本の子どもたちの提言としてまとめ、国連子どもの権利委員会、ユニセフ本部や日本政府関係者や企業などにも提出する予定だ。(高畠和弘)