不登校などでフリースクールに通う児童生徒を支えるため、全国の自治体で利用料の一部を補助する動きが拡大している。不登校が急増し、居場所としての役割が見直されているためだ。三重県は経済的な事情がある世帯に限り補助することを決め、申請を受け付けている。
県内で補助対象のフリースクールは、不登校の児童生徒らの将来の社会的自立をめざし、学習支援や教育相談などを担うなど要件を満たした民間施設。いまのところ鈴鹿市4カ所、津市と四日市市各3カ所、伊勢市と亀山市、玉城町の各1カ所の計13カ所。
県内の小中高校や特別支援学校に在籍しているか、高校生年代の子どもがいる世帯のうち、生活保護や就学援助を受けている場合などが支援を受けられる。義務教育年代から対象を広げたところに特長があるという。
フリースクールの利用料は月3万円程度といい、1人につき月1万5千円を上限に、利用料の2分の1を補助する。6月28日までに申請すれば4月1日にさかのぼり補助が受けられる。県や県教育委員会は32人程度を対象に見込む。
県教委によれば、県内公立小中高校の不登校の児童生徒数は2022年度で4831人いた。18年度に比べて小学生は約2倍、中学生約1・6倍、高校生は約1・5倍に増えた。うち4割は教育や福祉などいずれの専門機関ともつながっていないという。
福永和伸教育長は「多様な学びの場を用意する必要がある。フリースクールが重要になっており、しっかり利用できる環境を作りたい」と話す。