不登校の児童や生徒たちの支えになろうと、熊本県内の学生らでつくるグループがボランティア活動に取り組んでいる。メンバーの一人で、熊本大法学部1年の野尻有紗さん(19)=熊本市=に、活動内容や参加しての思いを寄せてもらった。
____
家庭環境やメンタルヘルスに問題があったり、生活リズムが乱れたりしていることなどが原因で、学校へ行けない子どもが増えています。そうした子どもたちのために居場所をつくろうと、熊本YMCA(同市東区)で活動する私たち学生ボランティアは昨年7月、「プラットフォーム実行委員会」を立ち上げました。
■事前学習踏まえ勉強や野外活動
実行委メンバーは、大学生5人と九州ルーテル学院大の准教授2人。実行委の呼び掛けで集まった学生ボランティア約30人を交え、定期的に会議を開きながら「学生だからこそできる活動」について考えています。これまで、スクールソーシャルワーカーから不登校の現状や適応指導教室での取り組みを聞いたり、フリースクールを運営する富山YMCAの活動について学んだりしました。それらを踏まえ今月8日から3日間、熊本YMCAに児童6人とボランティアメンバーが集まり、一緒に勉強し、野外活動を行いました。
私がこの活動に参加したきっかけは、コロナ禍で不登校の子どもが増えたというニュースを目にしたこと。社会が大変な状況の中で、子どもたちは元気よく話し掛けてくれました。印象に残ったのは「時間に縛られなくて、学校よりも楽」という子どもの言葉。それを聞き、一人一人の個性を引き出す場にしてあげなければと痛感しました。
■「ななめ」の関係年齢近く親身に
活動を通して学んだのは、「“ななめ”の人間関係づくり」です。「たて」が先生と子ども、「よこ」が友だち同士の関係。それに対して、子どもたちと私たちは「ななめ」の関係です。年齢が近いからこそ親身になって寄り添い、時には注意することができるつながりを築けると思います。
下田大雅・実行委員長(20)=九州ルーテル学院大2年=は、「今後も子どもたちの“心の居場所”づくりを応援しながら、私たち学生ボランティアも一緒に成長していきたい」と話しています。子どもたちが参加する2回目の活動を来月12日から3日間行う予定で、私たちは一緒に活動する学生ボランティアを募っています。この記事を読んで興味を持ってくれた若いみなさんと一緒に、子どもたちの支えになり、地域課題を解決できるようなボランティアに取り組んでいきたいです。
____
◇活動に関する問い合わせは、熊本YMCATEL096(353)6391(本館・尾見)まで。
(熊本日日新聞)