東京都立町田高校の定時制課程は、動画投稿サイト「ユーチューブ」に公式チャンネルを開設し、同校の魅力発信に乗り出した。発案した沢田彰(あきら)副校長は「受験生が全日制と通信制に流れ、本年度の新入生は一学級二十二人のみ。入学者を増やすため、中学校の教諭や保護者向けに制作した」と話す。
七月末に公開した六分四十五秒の動画では、四年制でも高卒認定試験に受かれば三年間で卒業できること、週一回スクールカウンセラーに相談が受けられること、定時制には珍しいグラウンドや体育館があることなどを、沢田副校長が説明している。
勤労者、外国にルーツのある人、不登校だった人、全日制高校になじめなかった人などの受け皿にもなっている定時制。ツイッターでも情報発信中だ。沢田副校長は「今後は生徒自身に動画を制作してほしい。公開が自己肯定感や成功体験につながれば」と期待している。
(東京新聞)
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定時制の魅力発信 都立町田高校
神奈川県2021年度公立中卒業者の進路…高校等進学者99.1%
神奈川県は2022年8月9日、2021年度(令和3年度)公立中学校等卒業者の進路状況を公表した。2022年3月の公立中学校等卒業者のうち、高等学校等進学者数は6万6,497人で前年度と比べて1,848人増加。卒業者総数に対する割合は99.1%で、0.1ポイント低下した。
神奈川県は、文部科学省が実施する「学校基本調査」および神奈川県が実施する「公立中学校等卒業者の進路状況調査」の調査結果をもとに、県内の公立中学校、義務教育学校および特別支援学校中学部を2022年3月に卒業した者の進路状況をまとめた。調査対象は県内の公立(市町村立)中学校407校(分校3校含む)、義務教育学校3校および県内の公立特別支援学校中学部42校(県立26校・市立16校(分校1校含む))。
県内の公立中学校および義務教育学校を2022年3月に卒業した者の総数は、6万7,124人(前年度比1,965人増加)。そのうち高等学校等進学者数は6万6,497人(前年度比1,848人増加)で、卒業者総数に対する高等学校等進学者数の割合(構成比)は99.1%。前年度比0.1ポイント低下となった。
高等学校等進学者の内、全日制進学者数(高等学校の全日制進学者と高等専門学校進学者)は6万111人、卒業者総数に対する全日制進学者数の割合(構成比)は89.6%で、前年度比0.7ポイント低下した。定時制進学者は1,255人で進学者数の割合(構成比)は1.9%、通信制進学者は4,029人で進学者の割合(構成比)は6.0%。通信制進学者が2015年から右肩上がりで進学割合を増やしている。
その他、高等学校への進学準備中の者、家事手伝いの者、一時的な仕事に就いた者、入院・療養者、児童福祉施設等入所者、海外の高等学校等入学者、不詳・死亡の者等は計404人となり、前年度より65人増えている。
特別支援学級の卒業者総数は1,628人(前年度比171人増加)、高等学校等進学者は1,586人で97.4%が進学。公立特別支援学校中学部の卒業者総数は419人(前年度比25人増加)で、卒業者の98.1%となる411人は高等学校等に進学しており、おもな進学先は特別支援学校高等部となっている。
神奈川県Webサイトでは、調査概要と詳細に記した統計表を掲載している。
参考(神奈川県:令和3年度 公立中学校等卒業者の進路の状況):https://www.pref.kanagawa.jp/docs/t8d/edu_stat/jr_high_course/r03_page.html
近畿大学通信教育部と屋久島おおぞら高等学校が 高大連携に係る覚書を締結
近畿大学通信教育部(大阪府東大阪市)と広域通信制高校の屋久島おおぞら高等学校(鹿児島県熊毛郡屋久島町)は、2022年7月20日(水)、通信制高校卒業者の大学進学率向上に寄与することを目的に、高大連携の覚書を締結しました。
1. 本件のポイント
● 通信制高校卒業者の大学進学率向上に寄与することを目的に覚書を締結
● 屋久島おおぞら高校在学中に、近畿大学通信教育部の授業が受講可能に
● 修得した単位は、近畿大学通信教育部に進学すれば取得済み単位として認定
2. 本件の背景
近年、全日制高校と比べて指定された登校日が圧倒的に少なく、多様な登校・通学スタイルを選択することができるため、進学先に通信制高校を選ぶ生徒が増えています。
2011年に通信制高校を選択した生徒は3.9%に過ぎませんでしたが、2021年には6.2%まで増えました。一方、全日制・定時制高校卒業者の57.4%が大学に進学するのに比べ、通信制高校卒業者の大学進学率は19.5%に留まっています(※)。
今回の覚書によって、通信制の大学と高校が連携し、高校在学時に培った通信制特有の学習方法を生かしつつ、スムーズに大学での学習に移行させ、通信制高校卒業者の大学進学率向上に寄与することをめざしています。
※出典:文部科学省「学校基本調査」
2011年高校入学者数1,163,889名、うち通信制高校入学者数45,745名
2021年高校入学者数983,987名、うち通信制高校入学者数65,244名
2021年度全日・定時制高校卒業者数1,012,007名、うち大学進学者数580,550名2021年度通信制高校卒業者数64,893名、うち大学進学者数12,626名
3. 本件の内容
覚書の締結によって、近畿大学通信教育部は、屋久島おおぞら高校の生徒を科目等履修生として受け入れ、高校在学中に通信制大学の学習を体験する機会を提供します。また、屋久島おおぞら高等学校は本校および全国45カ所のサポートキャンパスを、近畿大学通信教育部のスクーリング会場、試験会場として提供します。さらに、屋久島おおぞら高校の生徒が高校在学中に近畿大学通信教育部の単位を修得すると成績証明書が発行され、近畿大学通信教育部に進学すれば取得済みの単位として認定されます。また、入学金(20,000円)も免除となります。なお、近畿大学通信教育部が高等学校と覚書を取り交わすのは、今回が初めてです。
(Exciteニュース より)
8/28(日)オンライン講演会「不登校でも大丈夫! 7年間の不登校生活と幸せな社会人として」開催
2022年8月28日(日)、オンラインにて講演会「不登校でも大丈夫! 7年間の不登校生活と幸せな社会人として」が開催される。主催団体の「ひきこもり発信プロジェクト」は、不登校・ひきこもりで苦しむ人を減らすために活動している。
当日は、不登校経験者の風芽美空さんをゲストに迎え、講演と主催団体代表者との対談が行なわれる。風芽さんは担任による体罰で小学3年生から中学3年生までの7年間、不登校を経験。その後、高校進学はせず15歳から働き始め、現在は企業で社会人として働きながら日々を送っている。「7年間、不登校だったけれど、不登校だからといって困ったことも気後れしたこともほとんどなかった」と言う風芽さん。講演会では不登校当時の思いから、社会人として働く今までの道のりが語られる。
主催団体代表の新舛秀浩さんは「『不登校になるとお先が真っ暗なのではないか』と不安を感じている親御さんに、不登校の先があることを知ってもらえる機会になれば」と語る。風芽さんと新舛さんの対談では、参加者がチャットで質問することも可能だ。イベントの詳細は下記を参照のうえ、お問い合わせを。
日 時 8月28日(日)13時半~15時45分
会 場 オンライン(ZOOM)
参加費 400円~(要申込)
登壇者 風芽美空さん (不登校経験者)
申 込 https://siawasenaho-musukura-.peatix.com/
主 催 ひきこもり発信プロジェクト
その他のイベント
8月28日(日)/オンライン
■中学生から学ぶ心理学講座 「学校に行きたくない」気持ちの正体に迫る!
時 間 11:00〜12:00
会 場 オンライン(ZOOM)
参加費 無料
登壇者 松尾 華香(臨床心理士)
定 員 90組
主 催 プシケメンタルスクール
連絡先 psycheonline1@gmail.com
申 込 https://www.kokuchpro.com/event/psyche/
8月6日(土)/オンライン
■「親コミュ」限定イベント「不登校からの通信制高校リアル座談会」
時 間 13:00~14:30
会 場 オンライン(ZOOM)
参加費 無料(不登校新聞「親コミュ」参加者限定)
登壇者 石井志昂(不登校新聞編集長)
さゆりさん(通信制高校経験者)
そのほか、N高現役高校生1名登壇予定
主 催 全国不登校新聞社
連絡先 tokyo@futoko.org
申 込 https://www.futoko.org/parent/
(情報:不登校新聞)
参考ページ:https://futoko.publishers.fm/article/26172/
通信制高校、指導体制の充実求める 有識者会議がまとめ素案
通信制高校の在り方を検討する文科省の有識者会議の第9回会合が7月15日、オンラインで開かれ、今後取るべき対応策などをまとめた素案について議論した。素案では、不登校経験者など多様な生徒が通う現状を踏まえ、生徒一人一人に対して適切に対応できる指導体制を整備するため、教員配置の明確な基準を求めた。具体的には、委員の多くから「生徒80人に対して教諭等1人」とする意見があった一方で、「数字の法的な根拠を丁寧に示す必要がある」「80人は現状での数字。データを収集して見直す仕組みが必要」といった意見が出された。
素案では、取るべき対応策として▽指導方法の在り方▽指導体制の在り方▽質保証の方策▽所轄庁の在り方――の4点を挙げた。このうち指導体制の在り方については、勤労青年を対象の中心としていた時代とは異なり、不登校経験者など多様な生徒が在籍している現状から、生徒に寄り添った、組織的な学習支援体制の整備を求めた。
そのため、「実施校における通信制の課程に係る副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭及び教諭の数は、5人以上とし、かつ、教育上支障がないものとする」とされている現行制度を見直し、クラス担任制のように、生徒一人一人の状況をしっかりと見て適切な対応を取ることができるように指導体制を整える必要があり、同時に、生徒数に応じた教員の人数に明確な基準を設定していく必要があるとした。
具体的な教員1人当たりの生徒数については、「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(高校標準法)」を基に文科省が算定した現状の教員定数を基に、「生徒80人に対して教諭等1人以上が必要」という意見が多くの委員から出された。2021年度の学校基本調査によると、通信制高校の生徒数は21万8389人、教員数は5558人で、単純計算では生徒約40人につき教員1人がいることになるが、実際は「学校ごとのばらつきが大きく、教員1人で見る生徒が100人以上の学校もある」(文科省初等中等教育局)という。
委員からは「基準を設けることで、満たさない学校が違法状態に陥って、生徒が卒業できないという事態が起きないよう、激変緩和の方策を盛り込む必要がある」(青木栄一委員=東北大学教授)、「一人一人に寄り添うという意味では理想は40人(につき教諭等1人)。80人という数字をゴールにしてはいけない」(原口端委員=横浜修悠館高校校長)、「教諭等の『等』が示す職種の追記が必要」(日永龍彦委員=山梨大教授)といった意見が出された。荒瀬克己座長(独立行政法人教職員支援機構理事長)は「80人という数字が一人歩きしないように、法的な根拠を丁寧に記述する必要がある」とまとめた。
素案では他にも、指導方法について思考力・判断力・表現力を育む観点から、添削指導(レポート)や試験では、択一式・短答式の問題に偏るのではなく、文章で解答する記述式を一定量取り入れるべきことを明記していくべきとした。また、添削指導・面接指導(スクーリング)において、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を通じた、主体的・対話的で深い学びを実現するためのモデル事業を国が行うべきとした。
質保証の方策については、今年度より義務付けられている生徒数や教職者数、施設・設備などの教育環境といった情報公開が適切になされていない学校が見受けられることなどから、関係法令・ガイドラインで定める内容を実施できているか確認するための自己点検チェックシート(仮称)を国が整備するべきとした。
さらに所轄庁については、都道府県以外にサテライト施設を設置する広域通信制高校での適切な指導体制の確立に向けて、都道府県間の連携協力体制を検討し、ガイドラインにも規定する必要があるとした。来月行われる次回会合は最終回となり、具体的な指導体制の基準を加筆した審議まとめ案が示される予定。
(教育新聞 https://www.kyobun.co.jp/news/20220715_05/)