東近江市の小椋正清市長のフリースクールをめぐる発言を受けて、県内のフリースクールなどでつくる協議会などが会見を開き、「残念な発言だったが、社会が不登校を考える機会としてほしい」と訴えました。
東近江市の小椋市長は今月17日の不登校対策を話し合う会議で、「文部科学省がフリースクールの存在を認めたことにがく然としている」などと発言し、会議の後には、「不登校の大半は親の責任だ」とも述べました。
これを受けて、県内のフリースクールなどでつくる協議会や、子どもがフリースクールに通う保護者が20日に県庁で会見しました。
会見で協議会の谷川知 副会長は「子どもたちがどんな思いで学校に行かずに過ごしているか、行政に知ってほしい。残念な発言だったが、社会が不登校を考える機会としてほしい」と訴えました。
また娘が不登校でフリースクールに通っている東近江市の母親は「子どもたちの居場所になるフリースクールは希望です。対立ではなく、子どものために何ができるか考えてほしい」と話しました。
東近江市などで不登校の子どもを支援しているNPO法人によりますと、18日から20日までに、発言の撤回などを求める署名が2万6000人分余り集まったということです。
会見のあと、協議会のメンバーなどは滋賀県の三日月知事と教育長あてに、県の不登校に対する基本理念を示すよう求める意見書を提出しました。
【盛山文科相は】
東近江市の小椋正清市長の発言について、盛山文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「望ましい発言とは当然、考えていない。不登校の児童や生徒への支援は、教育委員会や学校が責任を持って地域における教育支援センターなどの整備を進めるとともに、子どもの状況によっては、支援の知見や実績を有するフリースクールといった民間団体などとの緊密な連携のもとで、多様な学びの場を確保していくことが重要だ」と述べました。
【加藤こども政策担当相は】
また、加藤こども政策担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、「どうしても学校に通うことができない子どもたちもいるので、そのような場合でも子どもが学びたいと思った時に学べる環境があることが大切だ。こども家庭庁としても、子どもの多様な居場所づくりを推進し、文部科学省と協力して安心して、学べる社会の実現に取り組みたい」と述べました。
(NHK)