小中学生の不登校が過去最多となった状況などを受け、文部科学省は14日、国の「GIGA(ギガ)スクール構想」で1人1台配備されたタブレット端末によって不登校の兆候を早期につかむ仕組みなどを取り入れた新たな不登校支援の指針をまとめ、研究者や学校関係者らでつくる有識者会議に示した。不登校になった子供たちに対する支援にとどまらず、予防にも力を入れる。有識者の意見を踏まえて支援策を検討し、3月末までに打ち出す。
指針は永岡桂子文科相が支援策を検討するための方向性として掲げた。「不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びを継続する」と強調し、教員が端末によって子供の生活リズムの乱れなど「心の小さなSOSを見逃さず、『チーム学校』で支援する」とした。不登校の要因を科学的に把握する考えも示した。
委員からは「チーム学校にも限界はある」「思い切って予算を増やす政治的決断が必要」などの意見が出た。
指針について、不登校支援を行う認定NPO法人「カタリバ」の今村久美代表理事は「現状、十分な支援を受けられる子供は限定的であるなか、全ての子供の学びの場の確保を打ち出したことは評価できる。今後、子供が端末でスクールカウンセラーなどに相談できる仕組みをつくったり、公的支援の充実に加え、民間のフリースクールなどとも連携したりするなど、多様な受け皿に子供たちをつなげる工夫が問われることになる」と指摘した。(産経新聞)