大阪府教育委員会は25日、不登校になった生徒が特別なカリキュラムで学べる「不登校特例校」を府立高校として全国に先駆けて設ける案を発表しました。また、生徒らが登校しなくても学習支援を受けられる「バーチャル空間」の設置も検討しています。
25日に開かれた大阪府総合教育会議では、吉村洋文・大阪府知事や教育委員らが出席し、不登校対策をテーマに話し合いました。
大阪府の小中学校に通う児童・生徒のうち、不登校になる子どもの数は年々増加し、さらに低年齢化が進んでいるといいます。
特に府立高校では、不登校生徒の割合が全国平均を大きく上回っています。
こうした問題を受け、府教委は「不登校支援パッケージ」をまとめ、スクールカウンセラーの配置を充実させるほか「不登校特例校」を府立高校に設置する案などを発表しました。
不登校特例校は、生徒にあわせて学習内容や授業時間などのカリキュラムを柔軟に組むことができる学校で、設置が実現すれば公立高校では全国初といいます。
また会議では、大阪府八尾市が不登校対策として先駆けて取り組んでいる「バーチャル空間」での教育支援についても議論されました。
八尾市によりますと、独自の「バーチャル空間」に不登校の児童・生徒らがそれぞれ自分の「アバター」の姿で参加でき、授業を受けたり、コミュニケーションを取ったりしているといいます。
バーチャル空間で過ごした時間は、各校の判断で「出席」扱いにできます。
吉村知事は会議で「信頼できる大人と接触することで、外への活動にもつながっていく」と話し、府としてバーチャル空間での教育支援を充実させる方針を示しました。(ABCニュース)