神奈川県秦野市内の中学校で暴力行為が減少傾向にあることが、文部科学省の調査をもとに市教育委員会がまとめた回答でわかったそうです。しかしその一方で、小学校では暴力行為、いじめ、不登校の児童数が全て微増となりました。
今回の回答は、平成21年4月から同22年3月まで市内の全公立小中学校で発生した暴力行為やいじめ、不登校の件数を集計。
暴力行為の発生件数は、小学校では前年度の7件から11件と増加しましたが、中学校は166件から115件へと大きく減少しました。これに対し同委員会は、学校の生徒指導を担当する教諭らと連携し、個々の問題を解決していった結果だとしています。しかし、同じ生徒が繰り返し問題を起こした場合も1件と数えているので、必ずしも数字だけが正しいとは言い切れないとのこと。
いじめの認知件数も中学校では76件から65件へと減少。県がスクールカウンセラーを派遣して人間関係作りなどの指導を行った結果、平成19年度以降から徐々に件数が減ってきているそうです。小学校でのいじめ発生件数は前年度の20件から23件と微増していますが、平成18年度の80件から平成20年度には20件まで減少しているので、長期的な視点で見ると小学校も減少傾向にあると言えます。
不登校の数は、中学生が前年度の101人から104人、小学校が27人から30人と、ともに微増という結果になりました。これに対し同委員会は、県内の他の自治体と比較すると不登校の発生率は少ないので増加は誤差の範囲内であり、何年かかけて数字の推移を見る必要があると話しているそうです。
秦野市ではいじめなどの問題に対して「こども家庭相談班」や、教育指導課にいじめ不登校対策担当の職員を設置。相談を常時受け付けており、学校と連絡を取り解決を図るほか、学校に相談しにくい内容については個別に対応するなどしているとのこと。
引き続き対策を続け、少しでも件数を減らせるように力を尽くしていく方針です。