無料のフリースクール「鳥栖とどろき塾」が、鳥栖市鎗田町の住宅地で開かれている。不登校の児童生徒が「ここなら行ける」と自分のペースで通い、社会的な自立につながるよう学習とともに交流の機会もつくる。表情が硬く会話もままならなかった子たちが打ち解け、元気になっていく姿にスタッフは「パワーをもらっている」と実感する。
貧困家庭の子に教育機会を提供するNPO「わたしと僕の夢」(福岡県久留米市)が、「さが・こども未来応援プロジェクト」の助成を得て昨年7月から実施している。元小学校長で、不登校の児童生徒をサポートする市教育支援センターにも勤めた秋山博さん(66)が統括責任者を務める。
秋山さんは、支援センターで対応する不登校の子が増え、家から遠いなどの理由で通いたいけど通えないケースも目の当たりにしてきた。2018年に開設された鳥栖とどろき塾に子どもと家庭環境を支援する運営法を取り入れた。
とどろき塾では、必要な家庭には送迎を行い、昼食も用意して保護者の負担軽減を図った。子どもには無理をさせず、行きたい日、行きたい時間に通えて、帰りたくなったら帰る。「決まりがないから来ないわけではない。話すのが楽しいのか、1週間続いた子は通ってくるようだ」と秋山さん。現在、17人が登録し、1日平均10人程度が通う。(佐賀新聞)