朝日新聞によると、京都府の小学校で2割強、中学校で8割弱の別室登校(学校に登校しても、自分の教室に入れない子どもを校内の別室で過ごさせること)の実態が、同市教育委員会の調査で明らかになりました。
府教委は昨年7?8月、所管外の京都市立を除く府内の小学校244校、中学校99校に別室登校の実態をアンケートで尋ねました。すべての学校が回答した結果、小学校63校(25.8%)、中学校77校(77.8%)が別室登校があると答え、ないと答えた小中203校でも、その用意があるとしたのは8割以上の164校にのぼったそうです。
また、別室登校をしている子どもは小学校で111人、中学校で340人。年間の欠席日数が30日を超えて不登校とされる子どもが小中とも6割近くを占め、学年が進むにつれて増える傾向があったとも伝えられており、そのうちの小学生の6割以上、中学生の4割以上はほぼ毎日登校しているようです。
自分の教室への復帰具合をみると、小学校では「完全に戻った」「戻る回数が増えた」という「前進」が、「別室登校が続く」という「停滞」を上回りましたが、中学校では「停滞」が「前進」の2倍以上に達したとのこと。
教室に戻れた例として、教員が別室の子どもに付き添って学習指導にあたっているケースが、自習をさせているケースよりも「復帰率」が高く、スクールカウンセラーなどを配置している学校や、部活動などで友人がいる子どもも復帰率が高い結果となりました。
調査にあたった府総合教育センターの山本岳・教育相談部長(臨床心理士)は「別室登校を解消するには、人と人の生身のかかわりが大切であることが分かった。教室に戻すという結果だけを求め、子どもを無理やり別室から引き離してはいけない。子どもが安心できる居場所と考え、長い目で見守る必要がある」と話しているそうです。