NPO法人「TEDIC」代表理事を務める門馬優さんは、2011年5月から故郷であり東日本大震災の被災地でもある宮城県石巻市で、子供たちの支援をしています。門馬さんは当時、大学院で教職を目指しながら、避難所等で被災した子供たちのケアを兼ねた学習支援を行っていました。門馬さんは、当初この活動を実習の始まる前の8月までの予定としていましたが、1人の男子中学生との出会いが門馬さんの運命を変えたそうです。
その生徒は、震災前から不登校で家庭に悩みを抱えており、震災後に休校していた学校が再開してからも登校できず避難所に残っていました。このときボランティアの方が不登校の悩みを聞いてくれて、気持ちが楽になったそうです。「震災前からずっとつらかった」という生徒の言葉が頭から離れず、門馬さんは1度辞めた活動を再開しました。
現在は石巻に事務所を構え、貧困で悩んだり、学校や家庭で孤立してしまっている子供の学習支援を行ったり、不登校の子供にフリースペース提供するといった活動をしています。門馬さんは、教職という夢を諦めこういった活動を続けていくという選択をしたことに後悔はないと話したそうです。